2009年5月7日木曜日

大家と店子のコミュニケーション

だいぶ長いゴールデンウィークでしたが、読者の皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
GWの最初はよかった天気もだんだん悪くなっちゃいましたね。
まあ、海外に旅行に行かれた方には関係ないでしょうけどね。
ふん!(?)

ちなみに、営業マンAはまだGW中でございます。
でも、暇人なんでブログを更新しておこうと思います。


さて、本題。
今日は結構真面目な感じでやってきます。

最近、お客さんからの依頼を受けてオフィスの家賃の賃料減額交渉を代行で
することがあるのですが、改めて感じさせられるのは大家と店子間の
コミュニケーションの大事さです。

このブログでも何度も書いていますが、現在都心のオフィスの賃料は
下がり続けています。

つまり、賃料相場が落ちているわけですね。

店子としてオフィスに入居されている企業としては、この不景気のさなか、
一円でも経費を削減したいという状況にあり、そういった状況の中、
賃料相場が下がっているということは、会社の固定費の大きな割合を
占めるオフィスの賃料を大家に減額交渉しやすい絶好の環境と
なっているわけです。

確かにその通りです。

でも、考えても見てくださいよ。

こういうことは、常に相手の立場にも立って考えないといけません。

大家の立場に立つということは、どういうことでしょう。

殊、家賃収入が会社の売り上げ(または個人の収入)のメインである
大家にとっては一円でも高く賃料を払ってほしいと考えるのが当然です。

素人の方はともかく、結構不動産鑑定士の方なんかにも
勘違いされている方が多いのですが、そもそも賃料というのは
その時その時の賃料相場のみで決まっているわけではありません。
ましてや、地価なんかで決まっているわけではありません。

もちろん、需要と供給の関係というものは無視できませんから
相場とあまりにもかけ離れたところで賃料を設定しても、借り手がいず、
結果として相場の賃料に落ち着く、ということはあるでしょう。

ただ基本としては、他の商売と同様、仕入れ値に対する売値っていうのが
あるわけで、大家でいうところの仕入れ値っていうのは、

・同じ場所(厳密にはありえないけど、おおよそ)
・同じ規模・階建
・同じ築年数

であったとしてもそれぞれ違うわけで、それに対して銀行が融資額を決め
利子を決め、建物の修繕費用や毎月の管理費用などもろもろを計算した
上で賃料というのは決められているわけです。

長々と説明してまいりましたが、要するにですね。
そういう細かい計算をして一生懸命賃料を決めている大家に対して

「今、賃料の相場って下がってるじゃないすかー。ここの賃料も
下げるべきだと思うんすよねー。どすか?」

などとは絶対言ってはいけないということです。

「お宅何言ってんの?うちの建物の何を知ってるのよ?
相場は相場うちはうち!!

とマジギレされて終わるだけです。


賃料の減額交渉というのは、このご時世、
賃料を払っている全ての企業が検討すべきことだとは思います。

ただし!
「相場下がってんだから、大家は賃料下げて当然!」みたいな態度は
明らかに間違っているということです。

お互い、売る物は違っても、企業であるということは同じ。
経費は1円でも削りたい。売上は1円でも稼ぎたい。

であるならば、

「こんなご時世でうちも大変なんです。大家さんも大変だとは思いますが
ここは弊社の経費削減にご協力くださいませんか?」

的な態度で臨むのが本来あるべき店子の姿勢です。

まあ、簡単にいえば完全に「お願い」ベースの交渉です。


あー、ようやく本題の本題に入れますねー。

お願いベースの交渉で大変重要なのは日頃のコミュニケーションです。


ほかのテナントに迷惑をかけるようなことをしてみたり。

ほかのテナントともめてみたり。

共有スペース(たとえば共用の廊下や、エントランス、トイレ・給湯など)を
汚く使ってみたり。無断で占有してみたり。

ダメだって言ってんのに、ビルの前に駐車したり、駐輪したり。

賃料の支払いをちょこちょこ遅らせてみたり。

ビルの入口付近で座りたばこしてみたり。そのたばこをポイ捨てしてみたり。


常日頃そういうことしている店子が「お願い!大家さん!!」
泣きついてきたところであなたが大家なら

「仕方ないなーこいつー」
なんつっておでこにちょーんって指でつついて・・・

許しちゃいますか??!!
許せちゃいますか??!!



お互いがお互いの立場や気持ちを尊重して付き合っていく。

大家であればテナントさんに気持ちよく利用してもらうよう
管理する。

店子であればビルを自分の家のように大事に利用する。

外で会えばあいさつを交わし、

困っていれば手を差し出す。

東に病気の子供あれば

行って看病してやり

西に疲れた母あれば

行ってその稲の束を負い

そういうものに

わたしはなりたい

・・・ってあれ?いつのまにか宮沢賢治(雨にも負けず)になっちゃってますね。



とにかく!!
そういったコミュニケーションの積み重ねって非常に重要なんです。

「情けは人のためならず」とはよく言ったものです。

まあ、そういう最終的な損得を抜きにしても、コミュニケーションを
きちんと取るってことは気持ちいいことだと思いませんか?


賃料減額交渉を考えているみなさま。
困った時の神頼み的な付き合いではなく、
これを機会にオーナーとの日頃のコミュニケーションについて
見直してみるのもいいかもしれませんね。

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