2008年10月1日水曜日

原状回復と償却と礼金の話②

本日は原状回復と償却と礼金の話第2弾!(なんだか偉そう)
「償却」についてです。

住居を借りる場合にはまず出てこない言葉ですので、
馴染みのない、というか知らない方も多いと思います。
僕もちゃんと確認したわけではなく、聞いた話なのですが、
この「償却」というのは、どうやら東京だけの習慣という話もあります。

さて、この償却。
広辞苑で調べると、
①つぐないかえすこと。借金を返すこと。
②減価償却の略。
となっています。

賃貸物件の場合、まあ普通に考えて上記②の意味であろうことは
想像がつきます。
減価償却って事はつまり、原状回復費用って事かな?
と、たいがいの方は想像されます。

ところが、これ。
実際は減価償却とも原状回復費用とも全く関係ありません。

お客様に質問されて私がよく言う答えは、
「礼金は契約時に支払いますが、償却は後払いの礼金とお考え下さい。
もしくは、解約金ですね。」と。

実際の償却とはその字とは全く関係なく、いくら部屋を綺麗に使おうが
なんだろうが、とにかく有無を言わさず、解約すると預かっていた敷金から
償却分のお金を引かれて借主に返金されます。
したがって、この償却とは別に原状回復費用はしっかり取られます。
(一部のビルでは「原状回復費用=償却」のところもあります。)

ちなみにこの償却というもの。
オーナーさんが大手の場合はまずありません。
だいたいが個人のオーナーさん、中小デベロッパー、etc、の
ビルの場合、償却というのが付いてきます。

それでは、この償却。何のために払うのか。
仲のいいオーナーなどにも聞くのですが、はっきりした答えをもらったことが
ありません。

あるオーナーは
「テナントが退去時に原状回復してはくれるが、共用部分(共用トイレ、水廻り、
廊下、エレベーター等)は綺麗にしてくれない。そういう部分を綺麗にするための
費用なんですよ。」
とおっしゃってました。

これもまた意見の分かれるところで、ある弁護士は「そもそも毎月払う賃料とは
そういう共用部分のメンテナンス費用も含んでいるわけだから、退去時にまた
共用部の原状回復費用として徴収されるのはおかしい!」といいます。

でも、現実問題、契約で決まっている以上、払うしかないといった状況です・・・。

まとめ

1.通常、「償却=原状回復費用」ではありません。
2.償却は「後払いの礼金」または「解約金」と理解しましょう。

ご意見、ご質問はアルバまで。








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