2008年10月2日木曜日

原状回復と償却と礼金の話③

え~ようやくこのタイトルの最終回となりました。
今回は、
「礼金」についてお話します。

「礼金」という言葉自体は、不動産業界の言葉としては
一般的に知られているかなりポピュラーな言葉ですよね。

ところが、この「礼金」というものほど外人に理解してもらえない
ものってないんですね。
ちなみに、英語ではこの礼金のことを「Key Money」
言ったりします。
理解できないくせに、礼金に当たる言葉があるってのも
変なんですが…。
おそらく、厳密には微妙に意味が異なるのでしょうね。

さて、この礼金。
もともとは、例えば地方から上京してきて、東京に
縁故もなく、知人もない場合に
「なにかあった時はよろしくね!」みたいな感じで
借主のご両親が大家に「うちの子を面倒みる謝礼」
的な意味で始まったようです。

まさに礼金です。

だからこの礼金って制度は東京以外ではあまり
見られないんですね。
大阪などでは「敷き引き」というのがあるようですが、
これはどちらかというと「償却」に近いイメージです。

さて、現代に戻りまして、いったいどれだけの人が
困った時に大家さんにお世話になることがあるんでしょうか。
「家賃を滞納しちゃった…。」などという時のためには
敷金が担保としてあるわけですし、ちょっとえらそうに
いっちゃうと
「家賃払って住んでやってんじゃん!」なんてことに
なりかねないくらい住人と大家さんとの間には
家賃の授受以外のつながりってないのが現状では
ないでしょうか。

不動産屋をやっていると、たまにお客さんから
こういうことを言われます。

「どうせお宅は礼金の一部を大家さんからバックして
もらってるんでしょ?お宅には私が手数料払うんだから、
その分礼金をまけてよ!」
と。

たしかに、契約した際に大家さんから手数料をいただく
こともありますし、その出所が礼金の場合もあるかもしれません。

でも、ここでは細かい説明は省きます(いずれこのブログで
説明します。)が、大家さんから手数料を必ずしもいただける
訳ではありません。アルバに限って言えば、むしろもらえない
ことのほうが多いです。(このへんもいずれ説明します。)

つまり、礼金は大家さんの収入になるもので、必ずしも
仲介業者の収入にはつながってないので、上記のように
「お宅には手数料払うんだからさあ…。」的な言い分は
必ずしも的を得てないわけです。

大家さんからすれば、事務所ビルで言うところの「償却」と
一緒で建物を保全するために賃料とは別に必要な費用なのでしょう。

とはいうものの、最近は「礼金」ってなによ?と思われるお客さまも
確実に増えており、それに合わせて礼金0の物件も増えてきました。
徐々に礼金0が普通になっていくのかもしれませんね。

余談ですが、たまに「敷金0」なんて物件があります。
でも、物件資料のちいさ~い字をよく読むと「保証金2か月」
とかって書いてあったりして
「詐欺っぽいなあ・・・。」と思ったりします。ちいさ~い字も
よく読みましょうね。(笑)

では、敷金と保証金はいったい何が違うんでしょうか。

これは、いずれこのブログで説明することにして、
原状回復と償却と礼金の話はこれにて終了!

ご意見、ご感想はアルバまで。

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